-
第 5 回「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」大賞受賞〈選考理由〉から。共同代表(落合恵⼦、 鎌⽥慧、佐⾼信、永⽥浩三、武野⼤策)とスタッフによる選考会。
この作品は、戦後一貫して続く在日外国人差別政策を描き出した長編ドキュメンタリーです。差別・迫害問題を戦前の植民地政策、戦後の在日朝鮮人対策の歴史から説き起こし、現在の入管収容施設での数々の迫害事件を被害者へのインタビューで明らかにして、日本社会の暗部が抉り出されています。立体的に構成した点で群を抜いて、 優れた作品になっています。2時間という 長さであるが、事実を網羅的に記録しようという制作者の迫力が伝わってくる。日本 国内だけではなく、世界にも知ってもらおうと、ユニセフ協会などの国際団体にも上映企画が進められているようですが、世界に知ってもらうべき内容です。 -
早尾貴紀 東京経済大学教員
入管収容所での虐待や外国人実習生への搾取に「人権侵害!」と声を上げるならば、在日朝鮮人・朝鮮学校への差別も容認してはならない。どちらも同じ構造のレイシズムでどちらも大事というにとどまらない。そうではなく、入管問題・実習生問題の起源と土台は、戦後直後の植民地出身者(とりわけ在日朝鮮人)を排斥する入管法体制にある。前者については「許せない」と日本人は容易に言うが、後者については沈黙している。本映画は、外国人への人権侵害の数々を並べて例示しているのではなく、日本社会のダブルスタンダードを静かに穿っているはずだ。 -
前川喜平 現代教育行政研究会代表・元文部科学事務次官
現在の日本での外国人をめぐる人権状況はこの映画に集約されていると思います。一人でも多くの人に見てもらいたいと思います。 -
斉加尚代 映画「教育と愛国」監督
高さんのほとばしる情熱が作品全体からあふれ出していて、この国の外国人差別に対する鋭いまなざしが、矢のように束となって見るものを射抜く内容でした。 戦前の植民地支配の民族差別を直視すらしようとせず、内務省政策が亡霊のごとく生き続けているこの国の現状を、マイノリティーの立場でいらっしゃる高さんの懸命な取材によって詳しく知ることは、重く避けられない問いを剛速球で突き付けられた思いになりました。 こうして作品にしてくださり、心より感謝いたします。 -
中学生 兵庫県
同じ人間なのにどうして差別をするのでしょうか。どうして「法律だから」という理由で人々を苦しませるのでしょうか。法律とは人々が楽しく安全に暮らすためにあるものじゃないのですか?法律があるからって、外国人をキズつけていい理由になりますか? -
毎日新聞
映画は、外国人を時に都合よく労働者として利用・管理してきた日本社会の現実や、差別を巡る闘争を時系列でひもときながら進む。 -
朝日新聞
終戦直後の朝鮮人から現在の技能実習生や難民まで、在日外国人に対する日本の「差別」を歴史的にまとめた。「世界中に差別はあるが、日本は国家が制度的に差別をつくっている」と訴える。